ある夜、野原一家は全員そろって時代劇に出てくるような格好をした綺麗な"おねいさん"の夢を見る。次の日、しんのすけが幼稚園から帰ると、シロが庭を掘り返していた。その穴から見つけた文箱の中には、「おらてんしょうにねんにいる」と読める汚い字とぶりぶりざえもんの絵が描かれた手紙が。埋めた覚えはないのに… と訝しがるしんのすけだが、「おひめさまはちょーびじん」という一文を見て朝の夢を思い出し、"おねいさん"に思いを馳せながら目を閉じる…。
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原作:臼井儀人 監督:原恵一 絵コンテ:原恵一、水島努 |
とにかく、「クレヨンしんちゃん」を見下している方々に観させてやりたい作品って感じ。いいアニメ映画です。とても好きな作品。でも、「クレヨンしんちゃん」ではない、何か異端の作品。ルパン三世で言えば、「カリオストロの城」みたいな・・・。
この映画のテーマは〝生と死〟です。ちゃんと歴史考証をしていて、時代劇として成り立っていました。時代劇好きの僕としては、『オトナ帝国の逆襲』よりもこっちの方が好きです。
また、又兵衛の廉姫に対する切ない恋物語でもあります。演出としても非常にイイ!
特に、野原家の車に乗車した廉姫を追う又兵衛のシーン。車に乗っている廉姫に対し、又兵衛は馬で後から追います。ですが、車の方が速く、馬の又兵衛と遠ざかっていきます。身分の差を歴然と表現していると思いました。
「クレヨンしんちゃん」シリーズの異端作品であり、最高傑作だと思いました。